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コーヒーで脱水する?研究論文からカフェインの利尿作用を調べてみた

コーヒーは人気のある飲み物の一つです。管理人もそのひとり。

コーヒーを飲む大きな理由は、カフェインという精神作用のある物質が、注意力を持続させ、パフォーマンスを助けてくれるからです。

しかし、カフェインには脱水作用があるため、コーヒーを飲むことは水分補給になるのか、脱水症状になるのか気になるところです。

この記事では、コーヒーが脱水になるのかどうかについて、研究論文を元にお伝えします。

カフェインと水分補給

コーヒーの研究論文

コーヒーを飲む理由のひとつとして、1日に必要なカフェインを摂取するためです。

カフェインは、世界で最も消費されている精神活性物質です。気分を高揚させ、精神的・肉体的なパフォーマンスを高める効果があると言われています。

体内でカフェインは腸を通過して血流に入ります。最終的には肝臓に到達し、そこで脳などの器官の機能に影響を与える化合物に分解されます。

カフェインは主に脳への影響について知られていますが、研究では、腎臓に利尿作用があることが示されています 。

利尿剤とは、体に通常より多くの尿を作らせる物質です。カフェインは、腎臓への血流を増加させ、腎臓が尿を通してより多くの水を放出するよう促すことによって、尿意を感じることとなります。(4Trusted Source)。

カフェインのような利尿作用のある化合物は、排尿を促すことで、水分補給の状態に影響を与える可能性があります。

まとめ

コーヒーには、利尿作用を持つ可能性のある物質であるカフェインが多く含まれています。つまり、頻尿になる可能性があり、水分補給の状態に影響を与える可能性があります。

コーヒーの種類によるカフェイン含有量の違い

コーヒーの研究論文

コーヒーの種類によって、含まれるカフェインの量は異なります。

そのため、水分補給の状態への影響も違ってきます。

淹れたてコーヒー

アメリカでは、ドリップコーヒーが最もポピュラーです。

挽いたコーヒー豆にお湯または沸騰したお湯を注ぎ、フィルター、パーコレーターなどを使って作るのが一般的です。

240mlのカップに70~140mgのカフェインが含まれており、平均すると約95mgが含まれています。

  • U.S. DEPARTMENT OF AGRICULTURE
  • Why do we like drinks that contain caffeine?

ドリップコーヒーの健康効果については、こちらの記事をご参照ください

インスタント・コーヒー

インスタントコーヒーは、抽出したコーヒー豆を凍結乾燥または噴霧乾燥させたものです。

ティースプーン1~2杯のインスタントコーヒーをお湯と混ぜるだけなので、調理は簡単です。これによって、コーヒーのかけらが溶けるのです。

インスタントコーヒーのカフェインは、普通のコーヒーよりも少なく、240mlカップあたり30~90mgです。

インスタントコーヒーの研究データについては、こちらの記事をご参照ください

エスプレッソ

コーヒーの抗酸化作用を研究論文から読む|おすすめコーヒーも

エスプレッソ・コーヒーは、細かく挽いたコーヒー豆に少量の熱湯(蒸気)を通すことで作られます。

普通のコーヒーより量は少ないですが、カフェインが多く含まれています。

1杯のエスプレッソ30~50mlには、約63mgのカフェインが含まれています。

カフェイン抜きのコーヒー

デカフェやカフェインレスコーヒーとは、カフェイン抜きのコーヒーのことです。

カフェインが97%以上除去されたコーヒー豆から作られています。

ただし、完全にカフェインが除去されているわけではありません。240ml1杯のデカフェには、0~7mgのカフェインが含まれており、平均すると約3mgが含まれています。

まとめ

平均して、240mlカップの抽出されたコーヒーには95mgのカフェインが含まれており、インスタントコーヒーには30~90mg、カフェイン抜きには3mg、エスプレッソのショット(30~50ml)には63mgのカフェインが含まれています。

コーヒーでは脱水になりにくい

コーヒーの研究論文

コーヒーに含まれるカフェインには利尿作用がありますが、脱水になる可能性は低いです。

カフェインが利尿作用を発揮するには、1日に500mg以上、つまり抽出したコーヒー5杯分(1.2リットル)の摂取が必要だという研究報告があります。

  • Neurourol Urodyn. 2005;24(7):611-5. doi: 10.1002
  • Ann Nutr Metab. 1997;41(1):29-36. doi: 10.1159
  • Int J Sports Med. 1997 Jan;18(1):40-6. doi: 10.1055

10 人のコーヒー愛飲者を対象にした研究では、200mlの水、低カフェインコーヒー、高カフェインコーヒーを飲んだ場合の脱水症状への影響について検討されました。

研究者は、高カフェインコーヒーを飲むと短期的に利尿作用があるのに対し、低カフェインコーヒーと水はともに水分補給になることを観察しています。

また、他の研究では、適度なコーヒーの摂取は、水を飲むのと同じくらい水分補給になることが示されています。

例えば、コーヒーをよく飲む人50人を対象にした研究では、毎日800mlのコーヒーを3日間飲み続けた場合、同量の水を飲んだ場合と同等の水分補給ができたと結論つけています。

また、この研究を分析したところ、カフェイン300mg(抽出したコーヒー3杯分(710ml)に相当)を一度に摂取しても、ノンカフェイン飲料を同量飲んだ場合と比較して、尿量はわずか3.7オンス(109ml)しか増加しないことが分かりました。

つまり、コーヒーで排尿量が増えても、もともと飲んでいた水分ほどは失われないので、脱水にはならないはずです。

まとめ

適度な量のコーヒーを飲めば、脱水症状になることはありません。しかし、一度に5杯以上など、大量のコーヒーを飲むと、軽い脱水症状を起こす可能性があります。

結論

コーヒーにはカフェインという利尿作用のある化合物が含まれており、排尿回数を増やす効果があります。

とはいえ、大きな脱水効果を発揮するには、一度に5杯以上の抽出コーヒーなど、大量に飲むことが必要です。

むしろ、コーヒー1杯をちょこちょこ飲むことは水分補給となり、1日に必要な水分量を確保することができます。

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