HPのプリンターを使用しています。
「HP envy4504」という機種で、当時新品で4000円弱という破格で購入しました。
本体価格の安いプリンターはインクが非常に高い傾向にありますが、情弱な管理人はこの点を考慮せずにプリンターの安さだけで即決。
案の定、専用インクHP61代金がかさむ地獄が始まりました。
しかもHP61は容量が小さくすぐにインクがなくなるんです。管理人は増量タイプHP61XLで2か月でなくなります。
少しでもインク代を節約するために、相互インクを利用していましたが、HP61相互インクもそこまで安くありません。
そしてたどり着いた可能な限りインク代を節約する方法、それはインク補充をして利用することでした。
今回は、HP61のインク補充の方法をお伝えします。
ただし、すべて自己責任となります。
HP61に限らず、他のスポンジありインクカートリッジにも応用できますので、プリンターのランニングコストを抑えたい方はご参照ください。
HPプリンターのインクカートリッジ内部構造
インクカートリッジの内部構造は、中にスポンジが入っているタイプとスポンジが入っていないタイプの大きく2つに分けられます。
この記事は「スポンジあり」のインクカートリッジを対象としていますので、スポンジありの説明をします。
内部にあるスポンジは、インクを蓄える役割を果たしています。
インクが出なくなる理由でまず考えなければならないのは、スポンジ内のインクが無くなっていることです。(その他要因は後述します。)
インクカートリッジ詰め替えに使用するもの
- インクカートリッジ
純正品でも、相互品でも、どちらでも大丈夫です。
- 顔料インクor染料インク(間違えないように)
HP61用など、専用で販売しているものである必要はありません。
しかしながら、ブラックの場合は必ず「顔料インク」をお使いください。
HPの場合、必ずブラックに顔料インクが使用されています。
カラーの場合は、顔料インクと染料インクどちらもあり、機種によって採用インクが異なります。必ず調べてから調達してください。
顔料インクとは、着色成分の粒子が大きく、水に溶けきっていないインクのことです。インクを用紙の表面に付着させてプリントするので、紙の内部まで浸透しません。
染料インクとは、着色成分が完全に水に溶けているインクのことです。プリント時、インクが用紙や繊維の内部まで染み込む仕組みです。透明性と鮮やかさが特徴で、豊かな色合いを表現できるので、主に写真印刷などに向いています。ただ、水にはあまり強くないので用紙が濡れるとにじみやすいです。
- 注射器
ダイソーにあります。管理人はコスメコーナーでみつけました。
- 不要なタオルや新聞紙
インクが床などに付着しないように敷いて使います。 - 使い捨て手袋
手を汚したくない方は、使い捨て手袋は装着して作業をしてください。
インク補充方法
インク補充方法 ブラックの場合
インクカートリッジのラベルを剥がします。
ラベルの下に、複数箇所穴が開いていますので、ここからインクを注入します。
注射器に黒の顔料インクをセットします。
HP61は5-7mlが適量になります。
HP61XLは、12-15mlが適量です。
その他の型の注入量は、補充インク販売店に問い合わせてみてください。
hp61ブラック場合、穴が5つ開いていますので、均一に入るように2,3箇所からインク補充しています。
注入針でスポンジを突き刺し中間地点まで入れます。そしてゆっくりとピストンを押してインクを補充します。
注意点として、インクと一緒に空気が入らないようにします。
また、インクの入れすぎもいけませんので、インクが溢れ出したらインク補充はやめてください。
はがしたラベルを貼り直します。そして空気孔としてラベルの一か所に穴を空けます。(理由は後述します)
穴は中央の一番大きな注入口の箇所に空けるとわかりやすいです。
ラベルシールの粘着が弱くなって上手く貼れない場合は、マスキングテープで代用してください。その場合も、空気孔は空けてください。
インク補充方法 カラーの場合
カラー毎に注入口が違いますので、間違えないように下調べを行ってください。
調べる方法はネット検索してもいいですが、注入口に爪楊枝を刺しての確認が手っ取り早いです。
爪楊枝を刺して、爪楊枝に付着した色で、どの注入口がどのカラーなのかを確認します。
インク注入方法はブラックと同様、注射針をスポンジに刺して注入します。
hp61の場合、上中央がイエロー、左下がマゼンダ、右下がシアン。
インク量は各色2-3ml
hp61XLの場合、上がマゼンダ、左下がイエロー、右下がシアンです。
インク量は各色3-5mlです。
注入完了しましたら、ラベルを元に戻し、各カラーの注入口に沿ってラベルをに空気孔を空けてください。
つまりカラーカートリッジの場合は3か所空気孔を作ることになります。
インクカートリッジの「空気孔」について
ヘッド一体型のインクの上側にはられたラベルは、実は完全には密閉されないように貼られています。
これはカートリッジの上部の穴(注入口)から空気がカートリッジの中に入って、プリントヘッドから出ていくという循環をさせるためです。
この循環により、インクは正常に流れて印刷が可能になります。
この空気が循環されるサイクルがとても重要でこの上部の「空気孔」を完全に塞いでしまうと、密封状態の筐体内部と外部の圧力バランスが崩れ、インクが吹き出してしまったり、インクがでなくなって印刷ができなくなってしまうことがあるので、ふさがないように注意する必要があります。
ですので、ラベルに穴を空けることで、確実に空気の循環ができるようにしてあげましょう。
カートリッジにインクを馴染ませる
充填が完了したら、20分以上放置してインクをスポンジ内に馴染ませる必要があります。
インク補填直後では、ヘッドクリーニングをして印刷したとしても、掠れることがあります。
しかし、時間を置くことで問題なく印刷できるようになることがあるので、時間を置いて様子をみてください。
※時間をおいても掠れたり、印刷できない場合は別の要因があります。後述します。
インク補充の確認
プリントヘッド(金属のところ)からインクが出るか確認します。
濡らしたキッチンペーパー(可能ならキムワイプがベスト)にプリントヘッドをスタンプするように押してみてください。
色がつけば大丈夫です。
カラーの場合は、全色の色が着くのを確認してください。
プリントヘッドから色が出ない場合は目次「印刷できないのは、インク切れが原因ではない場合」をご参照ください。
印刷できないのは、インク切れが原因でない場合
もし、インクを充分に補充したにも関わらず、プリントヘッドからカラーが出ない場合は、以下のことが原因であることが考えられます。
1.プリントヘッドの詰まり
一体型のインクカートリッジの金属のところをプリントヘッドといいます。
このプリントヘッドはごく小さなスプレーが無数に並んでいるパーツです。
プリントヘッドの穴が詰まると、印刷がかすれたりしてしまいます。
この場合、穴の詰まりを解消してあげることで、インクが出るようになります。
方法は、顔料インク充填のカートリッジの場合、キッチンペーパーやキムワイプにセスキ水やアルカリ電解水などの「アルカリ液」をひたひたになるくらい充分に染み込ませて、そこにプリントヘッドを置いてください。30分ほどそのままにして、乾燥したインクが溶解するのを待ちます。
基盤には液体がつかないように注意してください。
セスキ水やアルカリ電解水は100均にもあります。
しかし、これらはpH値があまり高くありません。
管理人は重曹水を煮て、強アルカリ水溶液(理論値pH12)をお掃除用に定期的に作っていますので、それをプリントヘッドのインク詰まりにも使用しています。
コスパもいいよ
染料インク充填のカートリッジの場合は、60度ほどお湯をキッチンペーパーにひたひたに染み込ませて、顔料インクと同様にしばらく待ちます。
プリンターの顔料インクはカーボンなど有機系染料が使われていますのでアルカリ液が効果的であり、
染料インクは水に溶けやすい性質があるため、中性である水で良いと判断しました。
ちなみに、プリンターヘッド専用の洗剤もあります。
「目詰まりバスター インクジェットプリンタ—」は、成分が公開されていました。
【成分】水/グリセリン/エチレングリコール/トリエタノールアミン/界面活性
トリエタノールアミンは、弱塩基性(弱アルカリ性 pH 10-11)の水溶性の成分で、溶剤、pH調整剤として添加されていると推測します。
トリエタノールアミンはアレルギー反応や肌荒れを起こす原因になる物質でもありますので、市販のインクヘッドクリーニング溶剤を使う際には必ず手袋を着用してください。
ティッシュを使わない理由
ティッシュですと細かいホコリが出ます。それが更なるヘッドの詰まりの原因になることがあります。またティッシュは再生紙利用している製品が多いので傷が付きやすいです。
プリントヘッドのみならず、カートリッジの基盤やプリンターのICチップ接続部の汚れを吹き上げるときは、キッチンペーパーやキムワイプをご使用ください。
2.スポンジに空気が混入している
インクカートリッジの内部のスポンジに、空気が入っている場合、それが原因でインクがプリントヘッドから出てこない場合があります。
その場合には、「空気抜き」の作業を行う必要があります。
方法は、専用の空気抜きカバーと注射器を使います。
専用空気抜きカバーは単品の取り扱いが少ないですが、インク詰め替えセットに付属していることがありますので、セットで揃えるほうが効率よいです。
注射器のピストンを下げた状態で専用カバーの吸引口に、注射器の先端を設置します。
その状態でピストンをゆっくり引き、内部のインクを出してあげます。
吸い出して注射器に入ったインクは処分してください。
空気抜きが終わりましたら、インクをスポンジに馴染ませるために、しばらくカートリッジを置いておきます。
それでもインクが出ない場合
1,2の作業を行ってもインクが出ない場合は、お手上げですので諦めて、新しいインクカートリッジをご購入ください。
印刷確認
詰め替えを完了し、時間をおいたカートリッジをプリンタに取付けたのち、本印刷前にヘッドクリーニングを行い、テスト印字を行います。
プリントうまくいかない場合は、もう一度クリーニングとテストを行ってください。
特にカラーインク補充の場合は、正常にカラーが表現できるようになるために複数回ヘッドクリーニングが必要となります。
テスト印刷でカラーが正常になるまで、ヘッドクリーニングを行ってください。
100均に詰替え用インクはないの?
100均にはHP専用の詰替え用インクはありません。
しかし、先にも説明しましたように、顔料インク、染料インクに間違いがありませんでしたら、他メーカーのものでも大丈夫です。
ダイソーには、キャノン用・エプソン用・ブラザー用の詰め替え染料インクの販売があります。
こちらをHP61など染料インクのインクカートリッジに詰め替えることは可能です。
管理人もHP61カラーカートリッジに、ダイソーの商品を詰めて利用しています。
このダイソー商品を使うのでしたら、注射器は不要です。
ダイソー商品をそのままインクカートリッジ内部スポンジに刺して、インクを充填することができます。
HP61大容量タイプの使用でしたら、ダイソーのインクで5回は詰め替えできます。
染料インクのブラックも、ダイソーにあります。染料インクを使ったブラックインクカートリッジには、こちらも利用できます。
顔料インクについては、ダイソーをはじめとする100均での取り扱いを確認できませんでした。
まとめ
ダイソーには詰め替える用の染料インクはあるが、顔料インクはありません。
余談 ダイソーのプリンタークリーニングシートもおすすめ!【追記あり】
ダイソーには、プリンターのクリーニングシートも販売しています。
紙詰まりの頻度が多くなったと感じた際には、クリーニングシートを使うことで改善することがあります。
クリーニングシートは、プリンター内に付着したこの微細な紙粉を吸着して取り除くことで、印刷動作を正常に戻します。つまりは、手の届かないプリンター内部を、物理的に清掃してくれるわけです。
プリンターの紙送りがうまくいかないことで、紙詰まりが起こったり、白紙で送り出されたり、印刷位置がずれたりすることがありますので、定期的にクリーニングシートを使って清掃してあげることで、印刷トラブルを防ぐことができます。
プリンターの維持に必要なクリーニングシートが110円で手に入るのは、ありがたいです。
【追記】
最近、プリンターのクリーニングシートが入荷されなくなりました。ダイソーで販売中止になった可能性があります。
詰め替えを行っても残量は反映されない
HPプリンターの場合、これまで紹介した方法でインク詰め替えるを行ったとしても、インクカートリッジ内のインク量は反映されません。
これは、HPの一体型インクカートリッジはドットカウント方式を採用しているためです。
ドットカウント方式とは
ドットカウント方式では、あらかじめインクの使用量を決めてあり、インクを出した回数により残量を検出しています。
つまり、実際にインクカートリッジ内部のインクを検出しているわけではなく、インク残量の目安を表示しているだけなのです。
ですので、インクを詰め替えてもプリンターの表示には反映されず、インク切れの表示が出てきてしまうというわけです。
ドットカウント方式を採用しているインクカートリッジは「インクが切れました」という表示が出ても、実際には中のインクは残っていることがありますので、非効率な方式ともいえます。
対処法として、「インク残量が少なくなった」という表示がされても無視して、パネルの「OK」ボタンを押し、液晶画面を切り替えます。インク残量0とプリンターが認識していても、印刷は問題なくできます。
余談 光学式について
インク残量検知を「光学式」で測っているメーカーもあります。
光学式は、光学センサによって残量検知をしています。
光学センサと言うのは、プリンター内部でインクに光を当て、その反射光によってインクの有無を判別させるシステムのことです。
この方式のメリットは、実際のインク残量を検知する為、ドットカウント方式だけの場合と違い中のインクを殆ど使いきることができますので、無駄がないといえます。
キャノンやブラザーには、この光学式採用のプリンターがあります。
インクの詰め替えは何回できる?
つめかえによるカートリッジの再使用は各色3~4回までが適当であると、インクメーカーはアナウンスしています。
それ以上は中のスポンジの劣化などによりインクの供給に不都合が生じ、正常な印字が出来なくなる場合があるとのこと。
管理人も5回程で交換しています。
一つのカートリッジで永遠にインクの詰め替えはできませんこと、ご留意ください。
まとめ
HP ENVY 4504はまだ現役で使えていますし、HPのプリンターは、黒のカートリッジのみでも印字が可能ですので気に入っています。
一体型カートリッジタイプは、ひとつでもインクが切れたら印刷出来ない仕様の製品が多いので、ここはHPプリンターの強みです。
しかしHP純正インクは高いので、各々で工夫してランニングコストを抑えるしかありません。
プリンターが壊れるまでは、この方法で凌いでいこうと思います。
そして次は、ランニングコスト重視でプリンターを選びます。
おまけ ランニングコストがいいプリンター
ランニングコスト重視なら、一体型インクカートリッジタイプではなく、「独立インクタンクプリンター」を選びましょう。
また印刷枚数が多いユーザーは「大容量インクタンクプリンター」を選ぶとランニングコストが安くなり、また取り換えの手間も減るのでおすすめです。
ただし、大容量インクタンクプリンターはプリンター本体代が高いため、たくさんプリントするか否かの使用環境に応じて選びましょう。
また互換インクの有無と手に入りやすさも確認しておきます。
これらを考慮したランニングコストのよい製品は、キャノンの「特大容量ギガタンク搭載 A4カラーインクジェット複合機G3360」です。
A4インクコストはモノクロ約0.3円、カラー約0.8円と格安プリントが可能。
互換インクも安くあります。純正の4割程度の価格です。
カラーインクは染料ですので、自己責任かつ印刷品質にこだわりがなければ、カラーインクはダイソーの商品でも代用できます。
G3360のブラックインクは顔料インクです。
本体価格は27,000円程とお高め設定ではあります。
「G3360」からコピー・スキャン機能やWi-Fiを引いた、シンプルな印刷機能の製品として「G1310」があります。こちらは2万円程です。
使用環境に応じて、自身にあった製品を選んでいきましょう。