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何度も無断駐車してくるクルマ所有者を300円で特定する方法を完全解説|情報開示請求

迷惑な無断駐車。私も無断駐車をされて迷惑を被った一人です。
その時の体験談と対処法まとめは、こちらの記事をご参照ください。

一度注意して反省するならまだ救いはありますが、中には悪質にも何度も無断駐車をする非常識な人間がいることも悲しき事実です。

この記事では、無断駐車のクルマの所有者を、合法的に特定する方法を徹底解説しています。

長期的に、また何度も繰り返してくる無断駐車にお悩みの方は、ご参照ください。

無断駐車した車の所有者割り出しが可能

クルマが繰り返し何度も無断で駐車するような場合には、運輸支局、自動車検査登録事務所で所有者の情報開示請求を行うといった対応手段があります。

開示請求は、開示請求手数料を納付することで、個人・法人・国籍や理由などを問わず、どなたでもできます。開示請求手数料は一車両につき300円と、金銭的負担は少なく情報開示請求が行えます。

個人情報保護法が施行された以降は、自動車のナンバー(自動車登録番号)に加え、車台番号が分からないと照会できなくなりました。
 
自動車の車台番号は、車検証に書かれているものか、ボンネットを開けたエンジンルームに刻印されているものを確認する必要があるため、無断駐車の車の車台番号を調べることは困難であると言えます。

しかしながら、車両が放置されている場所、見取り図、放置期間、放置車両の写真など、無断駐車されている状況が分かる資料を追加することで、車の所有者の氏名、住所等を開示を求めることができるようになっています

無断駐車(軽自動車を除く)のクルマ所有者の情報開示を受ける具体的な手続き方法

何度も無断駐車してくるクルマ所有者を300円で特定する方法を完全解説

最寄りの運輸支局、自動車検査登録事務所で手続きを行います。郵送でも手続きは可能です。(郵送での方法も後述します。)

運輸支局、自動車検査登録事務所の場所は、こちらからご確認ください。→「全国運輸支局等のご案内

 
自動車の登録内容・過去の履歴(過去の所有者等)を調べたい場合は「登録事項等証明書」で調べることができます。

これを利用し、車のナンバーから所有者の氏名、住所の開示を受ける方法については、国土交通省が発行している「登録事項等証明書の交付請求方法の変更について」に詳細が書かれています。

情報開示請求(自動車の登録事項等証明書交付請求)に必要なもの

①登録事項等証明書交付請求書(OCRシート第3号様) 

運輸支局内に設置された書き方の見本をご参考の上、登録事項等証明書交付請求書を作成して下さい。

印刷してご使用いただくことも可能です。登録事項等証明書交付請求書(OCRシート第3号様) ダウンロード

何度も無断駐車してくるクルマ所有者を300円で特定する方法を完全解説
登録事項等証明書必要書類と記入例より引用
  • 登録事項等証明書交付:「チェック
  • 証明書交付:「5
  • 現在証明:「1」 詳細証明「2」
  • 自動車登録番号:「ナンバープレートの番号すべて
  • 車台番号:「下7桁
  • 現在証明:現在記録ファイル記録事項分「チェック
  • 申請又は請求の理由:具体的な理由をはっきり記入
  • 請求する方の氏名住所記入

「現在証明」と「詳細証明」について

現在証明は、現在の自動車の登録内容を証明するためのものであり、「登録事項等証明書 現在記録」という車検証の記載内容と同じような内容の書面が交付されます。

詳細証明は、過去から現在までの自動車の遍歴を証明するものであり、「登録事項等証明書 現在記録」「登録事項等証明書 保存記録」の二種類が交付されます。

②※1車台番号(下7桁)が分からない無断駐車のクルマの場合は、放置されている詳細資料(自作)

無断駐車されている状況が分かる資料を作成します。

  • 無断駐車されている状況が分かる図面
  • ナンバーや車種が分かる車両の写真
  • 場所が分かるような全体写真
  • 無断駐車されている日時、期間

資料の体裁については規定はありません。

運輸支局が提供している「私有地放置車両関係位置図・車両写真」の用紙がありますので、こちらを参考にすると書きやすいです。

「私有地放置車両関係位置図・車両写真」用紙ダウンロード

③手数料納付書 (自動車検査登録印紙を貼付)

運輸支局内に設置された書き方の見本をご参考の上、手数料納付書を作成して下さい。

印刷してご使用いただくことも可能です。手数料納付書ダウンロード

何度も無断駐車してくるクルマ所有者を300円で特定する方法を完全解説
登録事項等証明書必要書類と記入例より引用

手数料は、現在証明・1件 300円です。検査登録印紙300円を購入して手数料納付書に貼付けます。

検査登録印紙300円
ticketlife.jpより引用

ちなみに、検査登録印紙は金券ショップでも取り扱いがあり、300円未満で購入することも可能です。
その時に注意したいのは、「自動車審査証紙」と呼ばれる専用の似た名前の印紙です。
登録事項等証明書交付請求に必要なのは「検査登録印紙」ですので、お間違いないように注意してください。

おまけ・どうして印紙で支払うの?

印紙は国に、証紙は地方自治体に支払った税金や手数料を納めたことを証明する証票のことです。運輸局は車検の際に窓口で印紙と証紙を貼った納付書を提出させることで、国や地方自治体に手数料を支払ったことを確認します。

④本人確認書

何度も無断駐車してくるクルマ所有者を300円で特定する方法を完全解説

窓口で申請される方の本人確認のため、次のいずれかの提示が必要です。

  • 運転免許証
  • マイナンバーカード
  • 健康保険証
  • パスポート
  • 在留カードまたは特別永住者証明書

請求にあたっての注意点

  • 本人確認ができない場合や書類に不備がある場合は証明書の交付ができません。
    しっかり確認して提出してください。
  • 盗難やストーカー行為などの不当な目的に使用されるおそれがある場合、個人のプライバシー侵害のおそれがある場合等、本制度の趣旨に反する場合は証明書の交付ができません。
    必ず、無断駐車の証拠書類を揃えておいてください。
  • 軽自動車については対象外です。(後述します。)

郵送による情報開示請求(自動車の登録事項等証明書交付請求)も可能

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運輸支局が遠い場合や、時間に余裕がない場合は、郵送での開示請求も可能です。

運輸支局・自動車検査登録事務所の住所は、こちらからご確認ください。→「全国運輸支局等のご案内

郵送の場合は、以下のものが必要となります。

住民票の写しについて

運輸支局での手続きの場合、住民票の写しが余計に必要となります。マイナンバーカードをお持ちでしたら、コンビニで取り寄せができます。
コンビニでの住民票の写しの発行方法は、マイナンバー関連ホームページをご参照ください。
→「証明書の取得方法

マイナンバーカードを使ってコンビニでの住民票の写し発行手数料は、1通200円です。

ちなみに、役所での住民票の写し発行手数料は1通300円と、コンビニ発行よりも高いです。

郵便送料について

郵送での情報開示請求の場合、郵便送料は請求者負担となります。決して着払いで発送しないようにしてください。

元払いの郵送方法に指定はありませんが、追跡のない普通郵便よりも、追跡のある発送方法が一応は安心できます。

クリックポストでしたら185円の送料で、追跡があります。A4サイズ、1㎏以下の資料でしたら発送可能内です。

クリックポストは、万一の事故補償はありませんので、その点ご留意ください。

クリックポストラベルを封筒に直接印字する方法は、こちらの記事をご参照ください。

軽自動車の無断駐車のクルマ所有者の情報開示を受ける手続き方法

何度も無断駐車してくるクルマ所有者を300円で特定する方法を完全解説

軽自動車は軽自動車検査協会が管理しています。

軽自動車検査協会は、第三者に情報開示をする場合は、以下に限ると明記しています。

外部への提供について

収集した情報を利用目的以外の目的のために利用したり、本人の同意なく第三者に提供することはありません。ただし、下記の場合を除きます。

【1】 法令に基づく開示要請があった場合。

【2】 人の生命、身体または財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難である場合。

【3】 公衆衛生の向上、または児童の健全な育成の推進のために必要な場合であって、本人の同意を得ることが困難である場合。

【4】 国の機関もしくは地方公共団体、またはその委託を受けた者が法令の定める業務を遂行することに対して協力する必要がある場合であって、本人の同意を得ることによって業務の遂行に支障をきたすおそれがある場合

軽自動車検査協会 個人情報の取扱について

無断駐車の場合【2】の「財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難である場合。」に当てはまります。

しかしながら、運輸支局に案内とは異なり、軽自動車検査協会は長期の無断駐車への手続き方法の案内がありません。

よって、本格的に書類を作成する前に、直接最寄りの軽自動車検査協会事務所・支所へ問い合わせることが必要となります。

そのときに、自分は無断駐車のクルマにどれほど迷惑と損害を被っているかをしっかりと伝えて、事の重さを理解してもらえるように、事前に伝える内容をまとめておくとよいでしょう。

軽自動車検査協会・全国の事務所・支所一覧はこちらからご確認いただけます

どの支所も050からはじまるIP電話の問い合わせのようです。かけ放題プランをご利用の方は050のIP電話も定額対象です。

所有者の情報開示ですので「検査記録事項等証明書」を申請することになります。(検査記録事項等証明書交付請求書ダウンロード)

検査記録事項等証明書交付請求申請に必要なもの

  • 所有者の印鑑(認印)→無断駐車の場合相手が分からないので準備不可
  • 検査記録事項等証明書交付請求書(軽自動車検査協会事務所・支所窓口にもある)
    →請求理由を申請書に記入
  • 手数料 現在記録ファイル 1件 300円
  • 無断駐車の証拠書類(自作)【参考テンプレート

軽自動車検査協会の場合、ナンバープレート情報や車体番号のほかにも、クルマの所有者の氏名や住所を記入し、所有者の認印も求められるため、申請条件は普通車と比べてより厳しいと言われています

それでも、無断駐車の迷惑度は重大な問題ですので、職員にしっかりと伝えて、情報開示してもらいましょう。

何度も無断駐車してくるクルマ所有者を300円で特定する方法を完全解説
検査記録事項等証明書必要書類と記入例より引用

まとめ

無断駐車の車の所有者を費用を掛けずに調べるには、運輸支局・自動車検査登録事務所(軽自動車の場合は、軽自動車検査協会)で所有者の情報を開示請求する方法が一番無難です。

無断駐車をしている人物を特定してから対応を考える、という場合に特に有効です。

迷惑な無断駐車にお悩みな方の参考になりますと幸いです。

わたしが実際に無断駐車されたときに取った行動と、無断駐車にへの対処法まとめは、こちらの記事をご参照ください

JAFに助けられた話はこちら

おまけ 車のナンバーは個人情報には当たらない

車のナンバーは個人情報には当たらない

車のナンバーは個人情報に当たらないことが、「一般社団法人日本自動車整備振興会連合会」で明確に記載されています。

自動車登録番号は、一般には、これのみでは特定の個人を識別することができず、個人識別性がない。また、自社内において、所有者等特定の個人を識別することができる情報を保有しておらず、他の情報と容易に照合することで特定の個人を識別することができない場合であれば、容易照合性も認められない。このような場合であれば、自動車登録番号は個人情報に該当しない。

日本自動車整備振興会連合会

2007年までは、ナンバープレートの情報があれば、請求者情報などと合わせて「登録事項等証明書」を請求することができました。

しかし、個人情報保護の観点やストーカー行為といった犯罪防止などに考慮し、2007年11月に請求方法が変更され、以前よりも請求事由のチェックが厳しくなっています。

これらの事情から、日本自動車整備振興会連合会は「車のナンバーは個人情報に当たらない」としているようです。

個人情報にあたらないとはいえ、ナンバープレートからは車の登録地がわかります。

また、写真に車の所有者の顔が映りこんでいたり、写真と一緒に文章などでその人の個人情報が一緒に公表されていたりする状況であれば、「所有者のプライバシー侵害」や「肖像権侵害」で民事上違法となる可能性があります。

他にも、デジカメやスマホで撮った写真データには、撮影日時やカメラの設定などを記録したExif(イグジフ)情報が自動的に付与されています。

スマホなどGPS搭載機種の場合は、詳細な位置情報が記録されるため、さらに注意が必要です。

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